2014年11月28日金曜日

泥棒3 (どろぼうさん)

その後、工場の門扉の鍵を破られることはなく、
屋外にも金目の物は置かないようにしたので少しの間被害は無く少々安心して気が緩んできた頃のある日、
工場に行くと、数日前と敷地内の景色が違う。 やけにサッパリしている。

そう、大きくて工場内に持ち込めなかった「そばカマド 3方1m、重量150~200㎏」のスクラップが25台積んであったのだが、ほぼすべて無くなっている。
正面の県道に面した門ではなく、脇の細い通りにトラックを停めて車載のクレーンで吊り上げて持ち去ったようである。
金額的には30万円程度だと思うが、あまりの荒っぽさに恐怖を感じた。

そしてその後さらに、
いつものように門扉の鍵を開け、車で敷地内に入り、工場の入り口のドアの鍵を開けて中に入るといつもと何かが違う。(゜_゜)

まず、入ってすぐの壁のスチール製吊戸棚の引戸が全開であること。
そして机の引き出しも開いている。
あれっ? 何かやたらに紙くずやビニールがコンクリートの床に散乱している。

理解出来ないまま、少しずつ辺りを確認していくとその有様は工場内全体に渡っており、引き出しと言う引き出しは全て開け放たれ、在庫部品を包装してあったビニール袋は全て床に散乱である。 
そして肝心の金属部品は「銅・真鍮・18-8ステンレス・アルミニューム」の金になる物だけ無くなり、鋳物などの安物はやはり床に投げ捨ててある。

そして入り口の対面の裏口のドア側を見ると、やはり何かがいつもと違う。(・・?
何っ、裏口のドアが外開きに全開で、開いたままになる様に石油缶が置いてある。
裏口ドアのドアノブ側の角のガラスが割られており、どうやらそこから手を入れて内側のドアノブを回して侵入したようである。

この時の被害は、用心して工場内に積んでおいたアルミの釜や銅・真鍮・SUS304のスクラップのみでなく材料として仕入れてあったステンレス板・パイプ・棒材、そしてガスコックや水道関係のバルブなどあらゆるものを根こそぎ持って行かれた。

その中でも一番腹が立った、いや悲しかったのは、近年のつづく不景気のせいで仕入れ先の会社が製造を止めてしまった「鋳物製バーナー」の代替え用(お客様のメンテナンス用部品用)に手間をかけて設計して知り合いの会社に頼んで作ってもらったばかりの「特製ステンレスバーナー」6箱全てを持って行かれた事である。
元の鋳物バーナーと同じ規格のものは日本中どこにもなく、止む無く一生懸命考えて付け替え出来る物を設計し製作したのである。 
金銭的な痛手も大きかったが、何よりも必死の努力を踏みにじられて「ただのスクラップ」として売り払われてしまった事が悔しくて我慢がならなかった。

そして、通常ではない匂いが工場内に仄かに残り漂っている、例えてみれば「濡れた鶏」の様な匂いだ。

今回は、工場脇側の塀の隙間から侵入し裏口ドアを破って侵入したらしい。
手口は荒っぽく恐ろしい奴らだが、落ち着いて良く考えると概ねの行動パターンは見えてきた。
早い話、たまに工場内に入り込んでイタズラを繰り返す野鼠と同じ程度の脳味噌だ。
わなを仕掛ければ掛かるだろう。

この時、こいつらはいずれ捕獲するしかない奴らだと思った。